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定位脳手術(stereotactic neurosurgery)を行ってきた脳神経外科医の発想から生まれた定位放射線治療は、切らずして手術のごとく病変を鋭く治療するという意味でガンマナイフを開発したLeksell博士によって放射線手術(Radiosurgery)とはじめて命名された[1]。我が国では下記のように定義されている。 |
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■ 定位放射線治療の定義
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厚労省がん研究阿部班による定義 |
Stereotactic Irradiation (STI) |
1回照射を定位放射線手術という |
Stereotactic RadioSurgery (SRS) |
2回以上に分割する場合を定位放射線治療という |
Stereotactic RadioTherapy (SRT) |
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*海外の文献ではSRTをmulti-session SRSと表現していることも多い |
*Leksellが用いたRadiosurgeryという用語は当初、1回治療しかできなかった時代のものであり、その後、分割照射が可能になったことで定位放射線治療の名称としてはふさわしくないとされ、我が国でも上記のような定位放射線治療に対する用語に統一された。 |
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■ 定位放射線治療の条件 |
@患者あるいはそれに連結された座標系において照射中心を固定精度内に納めるシステムであること |
A定位型手術枠を用いた方法、または脱着式固定器具を用いた方法であること |
B照射装置の照射中心精度が1mm以内であること |
C治療中に通じて上記固定精度を保つこと |
(健康保険では照射中心の固定精度が2mm以内となっている) |
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*定位放射線治療とは、病変の部位を再現性のきわめて高い座標系(患者側)で表すことができ、小さな領域に対して、多方向からある一点に収束する誤差が1mm以下の正確な照射が可能な装置であり、線量分布がCT、MRIなどの画像と重ね合わせができる治療計画装置を用いて、病巣とその周囲の正常組織にそれぞれ照射される線量が確実に把握されるものである。 |